秘かな天体ショー 月・金星・木星の接近

 あまり話題になっていなかったけど、22,23日に夕暮れの西空でちょっとした天体ショーが見られた。宵の明星の金星と、太陽系最大の惑星である木星、それに加えて月の3つが接近して見られるというもの。地味と言えば地味だが、特別な機材を必要とせず、肉眼でも簡単・確実に観察でき、時間的にも見やすい上に、これだけ明るい天体が3つ接近するのは、実は結構珍しい。

 最も狭い範囲で接近したのは22日で、下の写真にように下側に燦々と輝く金星のすぐ左下に月が並び、少し上方に木星が見えていた。23日には月が上側に移動し、範囲としては広がったものの、金星・木星・月の順に直線状に並んでいたので、これはこれで面白い眺めだった。

 というわけで、ここまでは過去の話で、今更時を戻って眺める訳にはいかないけど、実はこの後も、金星絡みの天体ショーが続く。直近の3月2日には金星と木星が、月の直系程度の距離に大接近する。これは相当な近さなので、きっと夕方の西空で相当目立つはず。2つの惑星の移動は月ほど速くないので、前後2日くらいは楽しめるだろう。

 また、3月24日には金星と月が大接近し、三日月の影の部分に金星が隠される「金星食」が見られる。こちらはその日の18時過ぎ頃限定の現象だが、その下にギリギリ木星も見えるようなので、写真に撮るには良いかもしれない。いずれにしても、ここしばらくの間は日没前後の西空で、宵の明星を追っかけてみるのも面白いだろう。