「プレゼン下手」な2つのタイプ その2

前回までの日記で、会社の若手に見られる「プレゼン下手」について、

  1. 自分の言いたいことだけを述べて、相手の立場に考えが至らないタイプ
  2. 参考文献やWebなどの情報を、自分で全く咀嚼せず、コピペしてしまうタイプ

の2種類が居て、1.のタイプについて考察してきた。今回はその続き。

 

 前回書いたように1.のタイプは、担当業務を考えれば割と何とかなる。だがこれに対して、2.のタイプは難しい。はた目には一見まとまったようにも見える資料を作る場合も有るし、通り一遍の発表はこなしてしまう場合もある。だからこそタチが悪いともいえる訳だが…、とにかく本人はそれなりにまとめた気分になっているので、何が悪いのかに気付きにくいのかもしれない。

 しかし、そういう「一見まとまっている内容」というのも、ちょっと深く突っ込んだ質問をされると、途端に破綻してしまう。「~に書いてあったから…」「貰った資料の~をコピーしました…」という答えしかできず、本人がそれをどう理解した上で他人に伝えようとしているのかという、レポートやプレゼンでは根本的な部分が欠落している。だから、聞いてる方からすると「その資料やWEBページを見れば済む話なの?」となってしまって、困ってしまう事になる。しかもその場合、本人は「そんな細かいことを聞かれても…」と不満に思っているケースも多いので、指摘・叱責も逆効果になりかねない。

 極論だが、こういうデータを自分なりに咀嚼できず、生のまま提示してしまう人間は、根本的に研究・開発職には向いてない。研究開発は、出てきた結果を分析し、如何にフィードバックループを回して改善していくかが重要なので、そもそも分析しようと考えない人間には困難だと思う。

 こういったタイプには、研究開発よりも、工場ラインの生産管理であったり、技術職以外の事務部門の方が向いているのではないかと感じる。ただそれでも、一般職の場合は良いのだが、監督層・管理層になっていくと難しい面が出てきそうなので、先々問題が出てくるのかもしれない。でも、そこまでは面倒見切れないというのが本音でもあるかな…。