「プレゼン下手」な2つのタイプ その1

昨日の日記で、会社の若手に見られる「プレゼン下手」について、

  1. 自分の言いたいことだけを述べて、相手の立場に考えが至らないタイプ
  2. 参考文献やWebなどの情報を、自分で全く咀嚼せず、コピペしてしまうタイプ

の2種類が居るのでは、という事を述べた。今日はもう少し進めて、具体的に考察してみようと思う。まずは前者のタイプから。

  1.のタイプは、良く言えば「昔ながらの研究職タイプ」といった所で、報告している内容の正確さに関しては概ね問題無い。むしろ、詳細に検討してデータを取っていることも多く、自分なりに考察もしている。ただ、その「伝え方」に対して意識が欠落しているため、結果として相手に伝わらない報告をしてしまう事になる。で、どの辺の意識が足りないかと言うと、

  • 実験した当人しか到底理解できないような細かいデータを、枝葉末節の部分まで事細かに報告しようとして聞いている人が理解できなくなり、時間もかかってしまう
  • 実験や作業の内容を、自分の行った順番に報告することにこだわってしまい、聞く側の理解しやすい流れになっていない

という2点が主なもの。報告する場合は、聞いている人の立場に合わせて情報を取捨選択し、なおかつ聞き手の考える筋道を妨害しないような、報告の「流れ」をしっかり作るのが重要なのだが、そこがなかなか理解できないようだ。

 ただ、このタイプが進めている作業と結果は概ね信用できるので、例えば作業規格をまとめさせたり、標準手順書を作らせたりすると、能力が発揮されやすい。それと、細く狭い所にどんどん潜航していく傾向が有るので、あまり複数の内容を並行して任せるには向かず、むしろやや難しく手間のかかる作業を任せてしまう方が結果が出やすいと思う。ただ、その分本人に周囲が見えていない可能性が高いので、こっちの方で時々、深海から引き上げてやる必要が有る訳だが、その時期とバランスを測るのが難しい所なんだよなぁ…。