【GANREF転載】LUMIX G9がやってきた&E-M1旧とのざっくり比較

 2018年のトンボシーズン開幕も近づいてくる中、「今年は2シーズンぶりにカメラを更新しようか」と、昨年末から考えて来ました。レンズ資産から、機種はPENTAXかμ4/3ですが、昨年からメインはμ4/3に切り替えているので、オリンパスのE-M1 MarkIIとパナソニックのDC-G9で悩んだ末、最終的にDC-G9を選択しました。旧型のE-M1を使っていたので、通常ならE-M1IIを買う所ですが、あえてG9を選択した理由と、ざっくり弄ってみて感じたことなどを。

 (写真はすべてiphoneで撮ってますので、拡大するほどのものではありません)

●ぶっちゃけ、最大の理由はレンズキット
 細かい理由は色々ありますが、正直なところ、最大の選択理由はG9にパナライカとのレンズキットが設定されていた点です。E-M1II, G9共に、かなりお高い機種なので、少しでもお得に買いたいのが本音。加えて、μ4/3のまともな標準ズームを持っていなかったので、この際レンズキットを買ってみました。
 E-M1IIもレンズ同時購入キャッシュバックはやっていましたが、普段使いにはちと重いのが難点。それに比べパナライカは割と軽量で、評価も悪くなさそうということで選択しました。デザインもシンプルで、オリンパスの12-40, 12-100より好みです。

●スチルカメラらしい外観
 これまで、パナソニックのカメラのデザインはちょっと安っぽくて、スチルカメラのデザインとしてはオリンパスというのが定評でした。しかし今度のG9は、E-M1IIよりもカメラらしいデザインになったと思います。ボディも大柄ですが、極端に重すぎるわけでもなく、握って小指が余らない、持ちやすいサイズ感ではあります。
 上面右にサブ液晶を載せたのは、操作性という点では賛否有るかと思いますが、個人的にはここにボタンやダイヤルを置かれても、撮影中に右手で操作することが難しいので、液晶の方が有用だと思ってます。ミーハーなことを言えば、より一眼レフっぽいですしね…

●左肩のモードダイヤル&ドライブモードダイヤル
 PENTAX機で馴染んでいるので、モードダイヤルは左肩にないとどうも違和感が有ります。E-M1旧はこの点でイマイチ感を感じてました。私にとっては一等地の左肩にダイヤルが全く無く、なぜかボタンが前後に2つ並んでるという所がなんとも残念な所でした。
 また、E-M1旧では連写系のドライブモード切替が、左肩ボタン+ダイヤルというちょっともどかしいものでしたが、G9ではモードダイヤルと同軸のダイヤル設定になっていて、一発で切り替えられます。しかも、連写は自分で設定した2つのモードを切り替え可能。E-M1旧では、連写速度と電子シャッターの切り替えが全部混ざっていて、ごちゃごちゃしすぎでしたが、それに比べるとかなり便利に感じます。

●AFモード切替ダイヤル
 E-M1旧では、AFモードの切り替えも左肩ボタン+ダイヤルというまだるっこしいもので、しかも左肩ボタンは前後どっちだっけ、ということで間違えることも多くありました。結局、レバー切り替えでS-AFとC-AFを切り替えるというのが定番でした。
 G9では、右手親指で切り替える一等地に、AF-S/AF-C/MFを切り替えるダイヤルが配されてます。最近、この位置ではAFとMFを切り替えるだけになっている事も多いのですが、AF-SとAF-Cは結構頻繁に使い分けるので、G9の仕様はありがたいです。

●前面に2つのボタン
 E-M1旧では、前面マウント脇にある2つのボタンに、拡大AFとピーキングの切り替えを割りあてて、特にマクロ撮影で便利に使っていたのですが、G9でも同じような位置にボタンが配置されました。しかも、最初から上のボタンには「AFポイントスコープ」という、E-M1のスーパースポットAFに相当する機能が割り当てられていて、非常にしっくりきます。
 E-M1のスーパースポットAFは非常に役に立っていたのですが、像を拡大するのに2回ボタンを押す必要があったり、画面いっぱいに拡大されてしまって構図が確認しづらいといった難点がありました。これに対してG9では、ボタン一発で押している間だけ拡大され、しかもPicture in Pictureで全体を見ながら使えるので、さらに便利に使えそうです。ちなみに、「押している間だけ」「PinP」の設定は自分好みに変更できます。
 それと、電源スイッチがシャッター同軸ダイヤルになっているのも、PENTAXと同じだし、グリップをつかんだ右手だけで操作できるということでしっくりきます。E-M1の左肩スイッチも、慣れれば別に良いんですが、ON/OFFに両手が必要というのはやっぱりイマイチです。ただ、その絡みもあってなのか前ダイヤルが奥の縦向きになったのは、ちょっと使いにくいかな… キヤノンユーザーには歓迎されるのかもしれませんが。

 以上、ざっと見た印象で言うと、今回のG9は、E-M1II以上にスチルカメラらしいカメラになったという印象です。E-M1旧ユーザーから見ると、E-M1系の長所をよく研究して、便利はところは取り入れて、欠点は潰してきているな、という感じがしました。E-M1IIが、多分旧機種ユーザーに配慮して操作系をあまり変えていない感じがするのと対照的にも見えます。
 E-M1というかオリンパス機は、もともとハードウェアや機能は良いものの、ソフト系のUIが全くしっくりこないところが不満だったのですが、G9は元々出来の良かったパナソニックのUIに、E-M1に匹敵するスチル撮影機能を載せてきたので、E-M1旧ユーザーでもさして不満なく使えそうな雰囲気です。機能的に不足が気になるのは今のところ、S-AF+MFのモードがないところくらいですね。

 こうなってくると、E-M1IIを積極的に選ぶのは「像面位相差AFによる動態撮影」くらいです。それよりもむしろ、定評のある強力な手振れ補正やセンサーごみ取り、防塵防滴などが、文字上は並んできたG9に比べてどのくらい優位を保てるかの方が大きいかもしれません。この辺は使いこんでみないとわからないところなので、おいおいじっくり調べてみます。
 また、私のトンボ撮影主力レンズは40-150mmと60mmマクロという、バリバリのオリンパスレンズなので、それがパナのG9と実用上の相性がどうなのか、というのも気になるところではあります。特に、40-150mmでホバリングを撮るときに、DFDがオリレンズに対してどの程度実力を発揮してくれるのか、期待半分、不安半分といったところでしょうか。