【GANREF転載】'17シーズン トンボ撮影振り返り (10) オオセスジイトトンボ

 ネガティブな話題で残念なのですが、今年の重大トピックスとして、地元でのオオセスジイトトンボ生息地の壊滅に触れない訳にはいきません。ここ数年どんどん数を減らしていて、昨年にはついに金網に囲まれた池の中でほんの数匹を確認するに留まるところまで来ていましたが、今年は完全に姿を消してしまいました。それも、ただこのトンボが居なくなるだけでなく、蓮を始めとする水生植物もろともに、生態系全体がほぼ全滅するという破滅的状況に…
 これにより、関東で広く知られているオオセスジイトトンボ生息地は1箇所だけになってしまったものと思われます。数年前までは、自宅から車で5~10分の場所でいくらでも撮影できたのに、今や2時間以上かけて朝早くから出かけて撮りに行く種類になってしまいました。そんな関東某所のオオセスジイトトンボ写真は、シーズン中に2つほど撮影記化していますが、今年のまとめということで、そこに載せていなかった写真を集めました。

 地元の生息地では、シーズン近くなると毎週出かけていたこともあって、5月末くらいから見掛けることが有ったのですが、今年はそんなに頻繁に出かけられないので、初撮影は6月10日。既にある程度季節が進んでいたことと、今年から長靴に変えてヒップウェーダーを導入したことも有り、初回撮影から沼の内側では、青く成熟した♂の姿を撮影できました。

アップロード画像

写真を拡大する

  とは言うものの、この時期はまだ発生初期なので、沼周辺の草むらには未成熟な個体達が潜んでいました。青く色づく前の♂の未成熟個体は、♀とあまり差が無い黄緑色なので、ぱっと見には見分けにくいのですが、尾部付属器が黒色の所に違いが有ります。体全体がややほっそりした印象なことも有り、見慣れれば割りと簡単に見分けられます。

アップロード画像

写真を拡大する


 同日に草むらで見掛けた♀。こちらは尾部付属器の色が白く、端部のやや手前側が膨らんだ形状になっています。トンボ全般の傾向として、♀は成熟してもあまり水場には出ず、周辺の草むらや樹林で潜んでいます。オオセスジイトトンボの♀は、イトトンボとしては特に大きい体を維持するためなのか、小さな虫の摂食シーンをよく目にします。

アップロード画像

写真を拡大する


 翌週の撮影では、より多くの青♂や産卵姿が見られましたが、そちらは既に撮影記にまとめてあるので、産卵の合間に連結したままで一休みの姿を。産卵姿の撮影記の方は逆光気味の写真が中心でしたが、この一コマは順光方向だったので、♂の青色・♀の黄緑色がそれぞれ鮮やかに出ています。

産卵中の一休み

写真を拡大する


 さらに2週間後、まだまだ産卵活動も活発に続いていましたが、そろそろ撮影にも余裕が出てきたので、少し引き気味の写真なども。こうしてやや遠めから見ると、一見小さくて探しにくそうという感じですが、実際にはイトトンボとしては規格外の大きさで、かつ緑色の草の中でもこの青色はとても目立つので、見つけるのは簡単です。膝上まで水に入って撮影しているので、動きにくさは有りますが、楽な姿勢で横から撮影でき、イトトンボの撮影にしては背景抜けの比較的良い写真が撮れました。

アップロード画像

写真を拡大する


 最後に、草むらの陰に止まっていた♂の顔に寄った一枚。明るい場所での顔面クローズアップは既にアップ済みで、そちらの方がクッキリ感は上ですが、複眼の細かい様子はこちらの方が分かり易いかもしれません。ただ、草むらの陰で色が被るので、色味の正確さという点ではちょっと難有りです。