主に関東平野分で撮影をしていると、エゾトンボ類はあまり馴染みが無いのですが、ハネビロエゾトンボだけは別。毎年出かける撮影地では、細い人口水路上を、このトンボが長いホバリングを交えながら飛び回るので、動きの有る飛翔姿を用意に撮影できちゃいます。また、この撮影地の周辺には、羽化して間もないアカネ類やカトリヤンマなどが高密度に潜んでいるポイントが有るので、ハネビロエゾ以外にも色々撮影できるのも楽しい所です。
まずは定番のホバリング姿を。この撮影ポイントは、人工水路脇に大きなクヌギ類が植えられていて、影になる場所が多いのですが、このトンボはそういう暗い場所を好んで長いホバリングをするので、フラッシュを焚いて撮っています。 これまでは一応ケンコーの影とりを使っていたのですが、前方が見づらいという欠点が有るので、今年は小型のビューティーディッシュ的リフレクターを装着して撮ってます。たしかに前は見易いのですが、ちと重くなるのが難点。
同じようなホバリング写真ですが、こちらは影の切れた場所だったので自然光で撮影。ギラツキ感がなくなって、柔らかく自然な雰囲気になります。翅の動きの躍動感も出てきますね。 なるべく見下ろす感じでなく、横方向からのアングルで撮影したいので、水路脇にしゃがみこんで撮っています。そうなるとトンボとの距離がかなり近くなるので、DA★300mmではなく、DA★200mmくらいの画角が撮りやすいようです。
もう1枚ホバリング写真を、こちらは正面からのアングルで。フラッシュの光に反応した不思議な色合いの複眼を強調するため、この角度で撮ってます。ホバリングしたどちらを向くかはその個体次第なので、このアングルで撮るために、水路のあっちこっちを行ったり来たりして撮影しました。
今年導入したE-M1でも、試しにホバリング姿を撮ってみたのがこちら。μ4/3の望遠レンズを持っていないので、DA★200をマウントアダプター経由で取り付けて撮ってます。ホバリング時間が長いので、EVFでの完全MFでも、それなりに撮影できました。もうじき発売されるE-M1 Mark IIでは動体への対応がかなり強化されているようですが、流石に初値では手が出ないので、様子見という所。とは言え、来年度は小型軽量なμ4/3機の活用範囲を広げていこうかと、とりあえず望遠レンズのM.Zuiko 40-150mm辺りの導入を企んでます。
水路上でホバリングしながら、テリトリーを張る♂に比べると、♀は産卵の特くらいにしか姿を見せないので、結構レアです。しかも、♂と違ってホバリングをせず飛び回るので、AFが全く役に立ちません。という訳で、MFのE-M1+DA★200で手当たり次第シャッターを押した中から、比較的ピンが来ていた物を選んだという、運任せの1枚です。
このトンボの撮影はホバリングが主体で、止まっている所を見かける機会は以外に少なめです。例年ですとうだるような暑さの午後に、水路周辺の木の枝にぶら下がる♂が見られるのですが、今年はそういう気象条件に恵まれませんでした。 そんな訳で、静止姿は来年に持ち越しかと諦めてましたが、8月後半に、近くのポイントでカトリヤンマを撮っていた時に、偶然潜んでいるハネビロエゾを見つけて撮影できました。ここではフラッシュ無しの写真をだしてますが、E-M1は手ぶれ補正が非常に強力なので、こういう撮影にはホントに最適と言って良いと思います。
この撮影地でも、最近は遠くからやって来て大量に捕獲していく不届き者が増えてきたようで、ついに「昆虫や生き物の捕獲禁止」という掲示がされるようになってしまいました。公園管理者や地元の人達と揉めるような事態も起きているようです。
自分用の標本作りのために、1,2頭採集する程度ならともかく、商売として販売するために大量に採集するような行為は、少なくとも公共の場所では適切とは言えないと思うのですが、いかがでしょうか。