今年のトンボシーズンに向けて

 今年のトンボ撮影シーズンまで、概ね2ヶ月ほど。確認の意味も込めて、シーズン中に狙うトンボ達を、過去の撮影の組写真で上げておく。各々のトンボ達の説明は、今後の週末に時間が取れたら、ボチボチやる予定。

 今年は勤務地変更の関係で、どれだけ撮影時間を取れるか分からないが、主要な種類だけでもなんとか記録したいとは思っている。

(写真がそこそこ大きいので、記事全体を読む場合はご注意を)

4~5月のトンボ達

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  埼玉辺りだと、トンボ撮影の始動は概ね4月中旬頃。河川中流域でダビドサナエやヤマサナエ、ニホンカワトンボ、ミヤマカワトンボ辺りが姿を見せ始めるが、やはりまだ数や種類は少ない。GW直前になってくると、池や沼地でアジアイトトンボやクロイトトンボが姿を見せ始める。

 しかし、この時期のメインイベントは何と言っても実家帰省時の桶ヶ谷沼ベッコウトンボ撮影。極度に生息地が少ないトンボなので、厳重な保護の下で命脈を保っているが、近年ではこの地でも、ヨツボシトンボに脅かされつつある。これらと同時に、ちょっと山の方に行った自然公園では、このあたりが東限のタベサナエや、出始めのムカシヤンマが見られる。

5~6月のトンボ達

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 埼玉の河川中流域のトンボたちは、5月中旬頃が最盛期。原色系の緑がきれいなアオサナエを筆頭に、ホンサナエやヒメサナエ、オジロサナエ達が続々と姿を表わす。カワトンボ類もニホンカワトンボ、ミヤマカワトンボが多数飛び回り、更に藍色の翅が美しいアオハダトンボが姿を見せてくれる。

 平野部の沼や湿地では、体の大きなヤンマ類も姿を見せ始め、クロスジギンヤンマやサラサヤンマの飛翔姿を狙ったり、出始めのアオヤンマを草むらの中で探したりとなって、結構忙しい。

 

6~7月のトンボ達

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  6月から7月にかけては、イトトンボ類の撮影が主体になる。関東平野部では、キイトトンボやベニイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ達の他に、希少種のオオセスジイトトンボ、オオモノサシトンボモートンイトトンボといったラインナップが揃う。もう一種、ヒヌマイトトンボもこの時期だが、なかなかそこまで手が回らないのは悩みどころ。また、ここ2年程、オオセスジイトトンボが急激に減少しているので、今年は姿が見られるかどうか、非常に懸念される

 関東では生息地が極めて限られるグンバイトンボや、高原に行かないと姿が見られないエゾイトトンボ、オゼイトトンボなどもこの時期で、ハッチョウトンボやコサナエなどのセットで撮りに行くが、折しも梅雨の走りの時期で、週末の天候によってはスケジュールが合わない場合も出てくる。

 さらに、低湿地のアオヤンマも最盛期を迎え、個体数も増えることから撮影機会が増える。止まり姿以外に複雑な模様の複眼に目一杯寄ってみたり、交尾姿や産卵姿も狙いたい。

7~8月のトンボ達

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  7,8月の狙いは何と言ってもヤンマのぶら下がり狙いが中心。神秘的なブルーの複眼と模様が美しいマルタンヤンマを筆頭に、ヤブヤンマやネアカヨシヤンマなどを宝探しのようにワクワクしながら撮りに行く週末が続く。ただ、年々姿が減っているような気がするのは気になるところだ。

 これらとは別に、栃木の某所のハネビロエゾトンボとカトリヤンマの集積地を訪れるのもこの時期。前述のマルタンやネアカヨシヤンマは数が少ない分、空振りに終わることも多いので、その鬱憤を晴らすように、この2種類の撮影を存分に楽しんでいる。

8~9月のトンボ達

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 8月末から9月にかけては、アカネ類が多く姿を見せ始める時期だが、少し高地の方に行ってコノシメトンボやネキトンボなど、真っ赤に染まる種類の撮影に力を入れる。更に高原地域まで出かけ、ルリボシヤンマやオオルリボシヤンマホバリングや産卵姿も撮りに行くのだが、仕事の都合でそこまでの時間が取れないことも多い。

 というのも、この時期には最長距離遠征となるマダラヤンマが控えており、スケジュール的にはこれが最優先となるからだ。深い青色のマルタンヤンマとライトブルーのマダラヤンマは、美しさという点で自分の中では双璧を成す存在で、やはりこの2種を撮らないとシーズンを終われないという感じだ。

 マダラヤンマのシーズンが終わると、残すはキトンボの撮影と、セットで見られる晩秋のカトリヤンマホバリングで、その年のトンボシーズンを締めることになる。