2015年のトンボ撮影を振り返る ~全般編~

 ブログを作ってみたは良いけど、普通の勤め人にとっては、記事を書くのもままならないものだと痛感しています。週末を撮影と写真整理に充てるとなると、なかなかまとまった文章を書く暇を見つけられません。

 そんな訳で、10月も後半を迎え、トンボ撮影も一応終了となったこの時期、せめてこの半年を振り返りながら、週末に記事をまとめていこうかなどと企んでおります。と言いつつ、ライトな冬鳥撮影も有りますので、どこまで実現できることやら…。

 シーズン振り返りの最初は、今シーズン全般を振り返ってみます。撮影した写真を整理しつつ、どの種類をいつごろ撮ったのかを、表形式でまとめてみたらこんな感じ。実際には他の種類も撮ってますが、主要な種類としては31種類となりました。

 

# 種名 撮影地域 撮影日数
1 ニホンカワトンボ 埼玉県内 3
2 ダビドサナエ 埼玉県内 3
3 ミヤマカワトンボ 埼玉県内 2
4 ベッコウトンボ 静岡 2
5 ヨツボシトンボ 静岡 2
6 タベサナエ 静岡 1
7 ムカシヤンマ 静岡 1
8 アオサナエ 埼玉県内 3
9 ホンサナエ 埼玉県内 2
10 ヒメサナエ 埼玉県内 2
11 アオハダトンボ 埼玉県内 2
12 オオセスジイトトンボ 地元、千葉 10
13 セスジイトトンボ 地元、千葉 2
14 オオモノサシトンボ 地元、千葉 8
15 イトトンボ 地元 1
16 チョウトンボ 埼玉県内、千葉 3
17 アオヤンマ 地元、埼玉県内 3
18 ムスジイトトンボ 千葉 2
19 ベニイトトンボ 地元、千葉、静岡 6
20 モートンイトトンボ 地元、埼玉県内 3
21 ギンヤンマ 埼玉県内 1
22 カトリヤンマ 埼玉県内 5
23 ハネビロエゾトンボ 栃木 3
24 ネアカヨシヤンマ 埼玉県内 4
25 マルタンヤンマ 埼玉県内 4
26 ヤブヤンマ 埼玉県内 2
27 ナツアカネ 埼玉県内 2
28 ミヤマアカネ 埼玉県内 4
29 マダラヤンマ 栃木、長野 4
30 キトンボ 埼玉県内 2
31 ルリボシヤンマ 栃木 1

 

 昨年までは、GWの静岡ベッコウトンボ詣でがシーズン本格スタートだったのですが、今年はそれに先立って、埼玉県内の河川中流域でのカワトンボ・サナエ類の撮影を開始してます。とは言え、関東地区での本格撮影はGW後になってからで、概ね カワトンボ・サナエトンボ ⇒ イトトンボ類 ⇒ ヤンマ類 ⇒ アカネ類 の流れになっています。

 撮影回数で見ると、やはり地元での撮影になるオオセスジイトトンボを始めとするイトトンボ類の撮影機会が最も多く、次いで県内の比較的近い場所で撮影するヤンマ類になってます。ただ、栃木のハネビロエゾトンボ・カトリヤンマと栃木・長野のマダラヤンマも同じくらいの回数になっているのは、好みの問題でも有り、また生息地での撮影し易さが反映されている面も有ります。

 そんな中で、今季の特筆すべきトピックスを挙げてみるとするならば、以下のような感じでしょうか。

埼玉のオオセスジイトトンボが激減

 地元で見られる希少種であるオオセスジイトトンボが、昨年と比べて異常事態と言わなければならないくらい激減しました。例年なら、生息地を歩けば、一歩ごとに足元から大きなオオセスジイトトンボが飛び出してくる状況だったのに、今年は6月中旬以降、本当にチラホラという感じになってしまいました。

 この原因が何なのかは分かってませんが、昨シーズン中に執拗なほどに池周辺の草刈りを行ったことと無縁ではない気がしています。昨年もその草刈りを境に、どんどん見かける個体数が減ってはいたんですが、今年は草刈りをあまりしていないにもかかわらず、数が異常に減少してしまいました。このままだと、来シーズンがどうなってしまうのか、不安を禁じえません。

千葉のトンボ聖地?に初巡礼

 地元のオオセスジの状況悪化を受けて、これまで出かけていなかった、千葉県のオオセスジイトトンボ生息地を、今年は初めて訪れました。こちらでも、実際にはオオセスジはそれほど見られなかったんですが、オオモノサシトンボやベニイトトンボはたくさん見られました。また、それ以外にアオヤンマがものすごく多いことにもびっくりしました。埼玉でも割とアオヤンマは見られるんですが、離れた場所を飛んでいることの方が多いので、ここでは池の周辺の茂みに潜んでいる個体も多く、交尾態も何回も見ることができました。

 来年は、もう少し計画的に訪れようと思うのですが、この撮影地でのオオセスジ撮影は、沼の周辺部より、沼の中が中心になりそうなので、ウェーダーを使わないと、十分な成果を得られそうにありません。今のところ、ウェーダーを保管しておく場所が無いし、あれを車で長距離運ぶのも難儀なので買ってないのですが、来期はどうしようか、今から思案中です。

黄昏ヤンマのぶら下がり狙いは空振り続き

 今年の夏は、7月下旬から8月上旬にかけての短期間以外は天気が悪く、結果としてマルタンヤンマやネアカヨシヤンマとの遭遇機会があまり得られませんでした。噂に聞くところでは、東京都内の某公園では結構見られたそうで、撮影者もみんなそちらに行ってたのか、埼玉の撮影地は人も少なかったように思います。

 あまりに暑すぎる夏も困ってしまうのですが、黄昏ヤンマのぶら下がり狙いには蒸し暑い気象条件が欠かせないので、来年はもう少し夏らしい気候が続いてくれることを期待したい所です。

マダラヤンマは比較的当たり年?

 今年で3年目になる長野のマダラヤンマ撮影は、例年より少し早めに出かけたのですが、これが功を奏したようで、9月頭の撮影では綺麗な個体の止まり姿に加えて、これまでなかなか見られなかった交尾態も拝むことができました。2週間後には交尾態こそ見られなかったものの、好天に恵まれてホバリング姿をじっくり撮影できました。来年はこの経験を踏まえて、早めの時期から計画を組もうかと思ってます。

 また、昨年は数が少なかった栃木の生息地でも、今年はかなりの数が見られました。撮影環境としては色々な面で長野の方が撮り易いので、あまり気合を入れて撮影する感じではなかったのですが、そうは言っても数が増えるのはありがたいことです。ただ、この生息地ではそれほどの影響はなかったようですが、9月の関東北部の集中豪雨によって、周辺地域ではかなりの被害が出たようなので、その影響が来年出るのか出ないのか、カトリヤンマやハネビロエゾトンボの生息地を含めて懸念されます。

 

 以上が今季全体の注目点でしたが、個々の種類の振り返りについては、今後、時間を見つけて書いていけたらと思っています。まあ、どのくらい書けるかは分かりませんが…