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オオセスジイトトンボのお話

トンボ オオセスジイトトンボ 絶滅危惧種

 今年の関東はこの時期、ちっとも太陽が出ません。おかげで、トンボ撮影もはかどらない、という訳で、少しトンボ自体のお話を。今回は開設後、2回目の記事という事で、現在の自分のライフワークとも言うべき、オオセスジイトトンボについてのお話です。

  オオセスジイトトンボは絶滅危惧IB類に指定されている、かなり希少性の高いトンボです。現在知られている生息地は、関東の利根川流域と新潟県、および東北地方という、とんでもなく局所的な分布をしているので、トンボ好きでも見たことが無い人も多いかと思います。生息地についてはまた別の機会に書きたいと思ってますが、私の自宅から車で5分くらいの距離に、その数少ない生息地の一つが有ることから、ここ4~5年ほど撮影を続けています。

 いくら希少なトンボとは言っても、それだけでは何年もチェックし続ける気にはなりません。しかし、このオオセスジイトトンボには、「♂の青い体色が独特でなんとも綺麗」という特色が有って、ついついカメラを向けたくなります。その色がコチラ。

Cercion plagiosum オオセスジイトトンボwww.flickr.com

Cercion plagiosum オオセスジイトトンボwww.flickr.com

 体一部が青いイトトンボというのは、他にも沢山居るのですが、これだけ全体的に青い部分の割合が多い種類は、他に居ません。しかも、この明るめの青色は、緑色の草むらの中でも非常に目立つので、一目で魅了される人が多いのも納得です。

 小憎らしいことに、この綺麗な色を呈するのは、十分に成熟した♂だけで、必ずしも多くないのです。しかも、成熟した♂というのは、生息地の沼の奥深くに入り込んでしまって、撮影しにくくなりますので、なおさらこの色をキッチリ撮影できる機会は少ないんですね。だからこそ、頻繁に通って探し回りたくもなる訳です。

 成熟前の若い♂は、最初明るめの黄緑色から徐々に青色に変化していきます。その時期には、沼の奥ではなく、餌となる小昆虫が沢山居る、周辺部の草むらに潜んでいます。そうして栄養を補給しながら、徐々に成熟して青くなっていきます。

Cercion plagiosum オオセスジイトトンボwww.flickr.com

Cercion plagiosum オオセスジイトトンボwww.flickr.com

 一方、♀は成熟しても黄緑色のままで、 あまり色が変化しません。稀に少し青っぽくなる個体もいますが、基本はこの色のままです。色が変わらないので、若い♂との識別に悩むところですが、尻尾の先端が少し膨らんでいるのと、先端の突起物が白い(♂は黒い)ので、見慣れていれば割と簡単に区別できます。また、♀の方が♂よりも一回り大きい傾向が有ります。

Cercion plagiosum オオセスジイトトンボwww.flickr.com

 ♀の方が大きい、と先ほど書きましたが、その大きさもオオセスジイトトンボの大きな特徴で、誰が見ても一目で他の種類と識別できます。単体の写真だとその大きさが伝わり難いのですが、他のイトトンボを捕食しているようなシーンだと、大きさの違いがイメージしやすいでしょう。

Cercion plagiosum オオセスジイトトンボwww.flickr.com

 このように、オオセスジイトトンボは体格も大きく、色も綺麗だということで、とても魅力的な被写体なのですが、とにかく生息地が少ないことが最大の難関です。しかも、その生息地もいつまで安泰か、誰にも分かりません。もし今後機会が有れば、その辺のことも少し書いてみたいと思います。